ルール等について

基本情報

エアレース エックス|AIR RACE X
AIR RACE Xは、世界から選りすぐりのレースパイロットが参戦する国際的なスポーツイベントです。レースパイロットたちはAR(拡張現実)技術により合成されたデジタルパイロンの間をAIR RACE Xオペレーションマニュアルに定められた制限のなか飛行し、操縦の正確性とタイムを競います。AIR RACE Xシリーズのタイトルは、最も多くのチャンピオンシップポイントを獲得したレースパイロットに与えられます。

ランタイム|Run Time
ランタイムとは、レース機がスタートゲートからフィニッシュゲートまで承認されたレーストラックを飛行するのに要する時間に、時間ペナルティやハンディキャップを加えたもの。ランタイムは、1,000分の1秒単位で提供される。

一般情報|General Information
レースは以下の内容で構成される
⚫︎練習
⚫︎予選
⚫︎決勝トーナメント

予選|Qualifying
⚫︎予選は6日間
⚫︎1選手あたり7つの対戦フライト
⚫︎総当たり戦で合計28対戦行われる
⚫︎対戦はどの順番で・どの選手を指名してもよい。
⚫︎各フライトの前に、チームサーバー(ウェブサイト)で希望のヒート(対戦相手)を選択すると、 USB TOKENが生成される。
⚫︎TOKEN を RDU USB サムドライブにロードする。 USB サムドライブを RDU USB 拡張ポートに挿入する。 RDU の電源を入れる。 RDUがTOKENを「記録」し、ヒートが設定される。 フライト前に USBドライブを取り外す。
⚫︎ヒートをフライトする。最初の3本のランの内、最速タイムだけが記録され、RDUによって判定される。
⚫︎着陸後、USBメモリでフライトデータをダウンロードし、チームサーバーにアップロードする。
⚫︎フライトデータのアップロードは、TOKEN生成後90分以内に完了しなければならない。
⚫︎パイロットがどのヒートも完走できなかった場合、その対戦相手に対する結果は負け(DNF)として記録される。
⚫︎機内カメラの映像は、飛行後8時間以内にチームサーバーにアップロードすること。
⚫︎練習飛行はいつでも可能であり、回数に制限はない。
⚫︎各ヒートで速かったほうのパイロットが勝利し、予選ポイント3点を獲得する。
⚫︎各ヒートで遅かったほうのパイロットは負けとなり、予選ポイントは0点となる。
⚫︎各パイロットのランタイムが0.2秒以内の場合、そのヒートはドロー(引き分け)とみなされ、各パイロットに1ポイントずつが与えられる。
⚫︎予選ポイントは合計され、決勝ヒートが決定される。
⚫︎2人のパイロットの予選ポイントが同じ場合、合計ヒートランタイムが合計される。合計ランタイムの少ない方が決勝に進む。

決勝トーナメント|Finals
⚫︎準決勝(セミファイナル)と決勝(ファイナル)は、予選期間中いつでもフライトすることができる。
⚫︎予選期間中に2本の準決勝(セミファイナル)と決勝(ファイナル)を完了すること。フライトデータを大会本部にアップロードすること。準決勝(セミファイナル)か決勝(ファイナル)かを明記すること。
⚫︎これらのフライトは決勝トーナメント当日まで秘密とされる。
⚫︎準決勝(セミファイナル)と決勝(ファイナル)のレースは、開催都市で拡張現実(AR)を通じて行われ、中継放送も行われる。
⚫︎タイムが同点の場合、すべての予選フライトの合計タイムの平均で速いほうが勝者となる。
⚫︎準決勝(セミファイナル):予選最速の4名で争われる。対戦相手は、予選通過1位と4位、2位と3位。
⚫︎準決勝(セミファイナル)の勝者2名が決勝(ファイナル)に進み、敗者2名は3位と4位を争う。

ランキング|Ranking
フライングセッションの結果は、ペナルティやハンディキャップを含め、レースパイロットがレーストラックをフライトするのに要した時間に基づいて決定される。
⚫︎DNS “Did Not Start” 「スタートせず」
⚫︎DQ “Disqualification”「失格」
⚫︎DNF “Did Not Finish” 「途中棄権」
上記の「DNS」「DQ」「DNF」いずれかの場合はランク付けされない。

同点の状況|Identical Times
⚫︎予選:0.2秒以内のタイム差はドローとみなされ、各パイロットに予選の1ポイントが与えられる。両選手ともに「DNS」「DQ」「DNF」の場合、当該フライトの得点は各選手とも予選0ポイントとなる。

⚫︎決勝トーナメント:両方のパイロットが「DNS」「DQ」「DNF」を記録した場合は、ドローとみなされ、予選での順位が高いパイロットが勝者となる。

用語解説

パイロン/マーカー|Pylons / Markers
パイロンは2本(スタート/フィニッシュまたはレベルゲート)、1本、またはシケインを形成する最低2本のパイロンのいずれかで形成される。 パイロンは、レーストラックの下に設置された小さなピラミッド型または他の材料で構成されるマーカーを使用してマークすることができる。パイロンは、AIR RACE Xオペレーションマニュアルのガイドラインに従って、レーストラックに沿って設置されなければならない。

ゲート|Gates
ゲートとは、レーストラックを構成するパイロンとパイロンの間、あるいはパイロンを通過するために必要な通路のことである。

負荷率の制限|Load Factor Limitation
航空機メーカーが定めるG制限。

練習|Practice
レースパイロットがレーストラックに慣れるための練習フライト。練習フライトの回数に制限はない。

レース|Race
レースは8日間にわたって開催され、6日間はパイロットのいる場所で予選フライトを行い、7日目はフライトなし、8日目は準決勝(セミファイナル)と決勝(ファイナル)がバーチャルリアリティレースで行われる。

レース機|Race Aircraft
エアレースに参加する航空機は、AIR RACE Xオペレーションマニュアルに従って設計・装備されなければならない。

レースエアポート|Race Airport
レースエアポートは、通常の民間飛行場または軍用飛行場に設置することもできるほか、暫定飛行場に設置することもできる。

レースパイロット|Race Pilot
AIR RACE Xに参戦するパイロットは、AIR RACE Xオペレーションマニュアルに定められた基準を満たさなければならない。

レーストラック|Race Track
レーストラックとは(レーストラック説明に記載されている)マーカーで示された空中コースのことである。

ラン|Run
スタートからゴールゲートまで、レーストラックを完全に飛行することを意味する。

スタート制限速度|Start Speed Limit
AIR RACE X付属のRDUが示すスタートゲートGPS地上速度を通過する際、スタート速度は最大時速400km(215kt)に制限される。 レーストラックによっては、時速400km以下に制限される場合がある。

ターニングマニューバー|Turning Manoeuvre
ターニング・ゲートとリカバリー・ゲートの間のある地点で最低高度に到達しなければならない反転操作。

ターニング・ゲート|Turning Gate
上昇旋回に移行する/プルアップするゲート。

リカバリーゲート|Recovery Gate
ターンからレース高度に降下して通過するゲート。

ハイターン | HIGH Turn
最低高度500フィートに到達しなければならない旋回操作。

ローターン | LOW Turn
最低高度250フィートに到達しなければならない旋回操作。

垂直ロール|Vertical Roll
最低高度700フィートに達し、"ターニング・ゲート "の平面を横切る前に機体を縦軸周りに315度以上回転させなければならない 反転操作。

RDU
Remote Data Unit(通称 RDU)。世界各地で飛行するAIR RACE Xのレース機に搭載され、飛行の軌跡や姿勢、速度、Gフォースなどフライトデータを記録するデジタルデバイス。

タイムペナルティ

スタート速度超過|Exceeding Start Speed
GPSの対地速度が、レーストラックで公表されている最高スタート速度を超えている。
*ペナルティ 3kt以下 +1秒 / 3kt以上 DNF(途中棄権)

スタート高度超過|Exceeding Start Altitude
コースベースラインに対して50mを超える高度でスタートゲートを通過すること。
*ペナルティ DNF(途中棄権)

高度が高すぎる|Too High
コースベースラインから50mを超える高度でゲートを通過すること。
*ペナルティ +2秒

高度が低すぎる|Too Low
トラックベースラインの高度15m未満でゲートを通過すること。
*ペナルティ +2秒

不正確な角度|Incorrect Level
バンク角20度以上のゲート通過
*ペナルティ +2秒

ゲート中での上昇|Climbing in the Gate
ゲートを通過する際、飛行経路の角度が10度を超える。
*ペナルティ +2秒

ゲート中での降下|Descending in the Gate
ゲートを通過する際、飛行経路の角度が降下2度を超える
*ペナルティ +2秒

パイロンヒット|Pylon Hit
レーストラック中心線から12m以上36m未満のエリアでゲートを通過すること。
*ペナルティ +3秒

不正確なハイターン|Incorrect HIGH Turn
ターンゲートとリカバリーゲートの間で、飛行経路がトラックベースラインの上空500フィートに達していない。
*ペナルティ +2秒

不正確なローターン|Incorrect LOW Turn
ターンゲートとリカバリーゲートの間で、飛行経路がトラックベースラインより上空250フィートに達していない。
*ペナルティ +2秒

不正確な垂直ロール|Incorrect Vertical Roll
飛行経路がトラックベースラインの上空700フィートに達していないか、"ターンゲート "の平面を横切る前に縦軸を中心に少なくとも315度回転していないこと。
*ペナルティ +3秒

コース逸脱|Course Deviation
飛行経路がパイロンヒット検出エリアを超えて横方向に逸脱する。
*ペナルティ DNF(途中棄権)

オーバーG|Over G
最大負荷率を超える場合、RDU は 12 G を超える負荷率を記録する。パイロットは直ちに着陸し、次のフライトまでに機体を点検しなければならない。
*ペナルティ DQ(失格)

セーフティ・クライムアウト|Safety Climb Out (SCO)
ゲート通過が検知されないまま30秒以上経過した場合
*ペナルティ DNF(途中棄権)

** トラックベースライン高度は、トラックファイルで参照されているトラックのベースラインの標高のことを指す。コースが起伏のある地形の上を飛行する場合、現地の地上(AGL)よりも高くなることがある。
** 高度と飛行経路の判定は、RDUシステム用に設置されたGPSアンテナの位置であるFRP(機体基準点)を基準として行われる。